夜歯磨きできるようになって、わたしはわたしを変えられた。
人と比べるということ
『どこの世界にいてもわたしは他人と自分を比較して、うまくいかない自分を卑下して悲しい気持ちになってしまう。
人のことなんか気にしなければいいのに、それがわたしの持って生まれたものなのか、後天的なクセなのか、気づくと必ず他人と自分を比べてしまう。』
若い頃はこれが結構きつくて、育児ノイローゼの日々を送っていた。
二十代前半でできちゃった結婚したので、日中は子どもと家の中に二人きりで社会から隔絶されてる孤独な被害妄想の中にいた。
独身の友だちと遊ぶときにデパコスや流行りのアパレルブランドの服を着て、自分の稼ぎを自由に使って遊んでいることをうらやましく思っていた。
自分と自分以外のすべての人間に漠然とした不満と妬みがあった。
独身時代は祖父母にたくさんお小遣いをもらっていたから、世間知らずなお嬢さんはお金がないこと、なにも自由にならないことに耐えられなかったのだ。
あれから十五年経とうかというところだ。
わたしは友だちと遊ぶのをやめた。
だからだいたいの友だちと、「友だち」ではなくなった。
華やかな場所に行くことも少なくなってそのためのおしゃれをすることがなくなった。
でも友達と比べなくてよくなったことでせいせいした。
ユニクロの気に入った服をネットでリピ買いして、平日は毎日同じ服装をヘビロテして出勤する。
一年前の自分なら毎朝クローゼットの前に立って全然上等でもない服をあれやこれや引っ張り出して服を選んでいたけど、もう選ぶのをやめたから決まった服装をする。
考えることから解放されて一つ息苦しさがなくなった。
粋で上手な話し方ができるとか、バーベキューをたくさんの家族と楽しむとか、ママ友と慣れ合うとか、友だちと繁華街に今年の秋服を買いに行くとか、わたしはずっとアクティブでポジティブな陽キャに憧れていて。
それがわたしの性格に合わないこと、つまり根っからの陰キャだったことを四十ぢかまでようやく認めた。
今思えば、無理な理想の姿になる必要はなかったんだな。
それからこれは近頃の話。
ブログをはじめてまた少し、勝手にへこんだ。
自分より若い世代の人たちや学生さん、学のある優秀な大人たちが素晴らしい記事を書いているのを見て、「バカで情弱なわたしはまだここなのか」という暗い気持ちに苛まれる。
でもその地点からの考え方は昔より少しはまともになった。
嘆いてもやらないとすすまない、勝手に傷ついてやめるのは簡単だけど、続けることはとにかく尊いんだから、やりたいならやれよ。
そうそう、今年の一月に一念発起したことを忘れてはだめだ。
他の人にとってつまらないことで笑われるような小さいことでも、わたしはそれができないんだからできるようになるまで継続すべきなんだ。
だってそうやって本当に恥ずかしいけど夜歯磨きするのがやっと習慣になったんだから。
この年になって歯磨きを新年の目標にするとかレベル低すぎるんだが、2020年上半期でちゃんとできるようになれたのは事実だ。
そんなことでわたしは、自分は変われるって実証してしまったんだから。
人と比べてしまうのはしょうがない。
でもその時しっかり気づいて「わたしまたどうしようもないこと考えてるな、やめやめ、今日のやるべきことをしよう」って思いなおして、わたしはブログをかくことにする。
一個づつしか進まないけどその積み重ねだぞ、頑張れわたし。